富山・宮崎社叢
富山・石川滞在の最終日、午前中少し時間があり、快晴の空を見てどこか歩きに行きたくなりました。この日の富山の最高気温は34度。低山日和とは言えませんが、海に近い立地なら、と選択。
富山から在来線で1時間ほど、越中宮崎駅で下車。次の駅は新潟県の親不知。県境であるとともに、この地形上の障壁は東・西日本の文化を分けていることで知られます。西日本の端に来た、とも言えます。
駅から旧街道と思われる細道を西に15分ほど。日影がとぼしく暑いです。宮崎集落の鹿嶋神社に到着。延喜式にも記される、この地域の総社に起源を持つ古社です。入口は明るい雰囲気の境内。
この裏手の山が、国指定の天然記念物に指定されている「宮崎鹿島樹叢」。神域として保護されてきたのでしょう。冷・暖温帯の植生が混交していることが記されていました。
山は、海に沿った集落にまでせり出しており、国道も鉄道もこの山はトンネルで抜けています。
境内にも大径木が立っていました。モミ、スギ。ケヤキ。
森林は「宮崎自然博物館」として整備され、歩道もついています。社殿の裏の急斜面に歩道の入り口。「クマ注意」の看板があり、電気柵付き。
さっそく大きな木が見られます。イイギリ。
タブノキ。深緑がまぶしいです。
スダジイ。
ウラジロガシ。
アカガシ。これらが林冠の優占種でした。
スギ人工林との境界に沿いながら登っています。
シロダモ。
ヤブツバキ。
ウリノキ。
ヤマザクラ、ウワミズザクラ。
ミヤマガマズミ、マルバゴマギ。
北側の眺めが開けました。霞みの先が親不知。立ち止まれば林内はさわやかです。
奥社を過ぎると、歩道は崖上の急斜面を進みます。樹冠のむこうには海。アカガシ、タブノキ。
スダジイ。
カラスザンショウ。
ムラサキシキブ 、クサギ。
キブシ、ヤマグワ。
チドリノキ。日本海側ではこのあたりが北限。
ハウチワカエデ、ウリハダカエデ 。
イタヤカエデ。
ホオノキ。
ミズキ、クマノミズキ。
やがて、崖から離れふたたびスギ人工林の中の登り。
登りきると明るい尾根になりました。コナラ。
ハリエンジュ。
アカマツ。標高187mの頂上は整備された公園になっていました。さらに先には、この天険を利用した山城・宮崎城址がありますが、今日はここまで。
天然林から距離が離れてしまったのが少し残念ですが、真っ青な、空と海の眺め。
解説板に、ヨコグラノキが分布しているとの記述がありました。興味のある樹種なので、下りでは注意してみたものの、出会うことはできませんでした。
1時間半ほどの散策、真夏の常緑樹を満喫しました。来てよかった、とあらためて山を振り返ります。
目を転じると、海の風景。ここはヒスイ海岸としても有名で、海水浴客に混じって、それを探す人のすがたも。
北海道にはない夏の昼の陽ざし…泳ぎたい(&ヒスイを拾いたい)気分でしたが、列車の時刻がせまり、駅に戻りました。