雄武町 山火事跡地 

2019年08月22日

北海道の東部は、積雪・降雨が少なく、山火事が起きやすいと言われています。今年5月26日に、オホーツク管内雄武町の道有林で大きな山火事がおきました。今回、その跡地を見る機会がありました。

山火事の原因は不明ですが、この日は気温が33.4度に達し、乾燥して風もある日だったそうです。ヘリによる空中消火および地上での消火活動を実施したものの、結果的には鎮火までに3週間を要し、焼損面積は215ヘクタールに達する事態となりました。鎮火宣言(6月19日)から2ヶ月が経過したわけですが、今後の復旧等を計画するうえでモニタリングの必要もあり、行政と研究関係者が現地視察する機会が設けられたわけです。

北大からは学生を含め5名が参加。名寄からはくるまで1時間ほどで、待ち合わせ箇所に到着。道有林の方々、道総研林試の方々と合流しました。くるまを停めたのはもっとも被害が激しかった箇所。概要を説明していただきました。焼損した箇所には天然林、人工林、掻き起し地などが混在しており、それぞれにすでに標準地が設置され、被害程度が記載されているとのことでした。

まだ焼けた匂いが感じられます。  

トドマツ人工林。激害地で、ほとんど葉がなくなっていました。林床ではササがさっそく伸び始めています。 
アカエゾマツの植え込み箇所(30年生)もほぼ全滅の様子。一方、ダケカンバが優占する掻き起し地(31年生)は半分くらい生きている木がありました。

天然林。樹種別の被害の程度が気になります。

カンバの芽生えのほか、キハダ(埋土種子起源?)がとくに多く目立ちました。 ミズナラは根際から萌芽。 

オオイタドリに覆われた箇所。火事直後は裸地だったそうです。 それぞれの標準地で、念のため実生の調査をしてきました。今後、どのように変化するか、ときどき見に行きたいと思っています。