三河
冬になる前にあちこち巡っています。豊橋駅でくるまを借りて、気になる森林をめぐる1日半。
11月24日 まず、太平洋側の代表的な温帯混交林として知られる、愛知県設楽町の段戸裏谷原生林(段戸モミ・ツガ植物群落保護林)を訪れました。
林道から見上げたところ。大径木が見えます。紅葉は終わりかけです。しかし、、、最初に目についのは林床の状況。スズタケが枯死しています。2年前に、全国の広範囲で一斉開花・枯死が起きたことは聞いていました。その時の影響でしょうか。
林内に入っていきます。モミ。260年生ほどとの説明あり。
こちらはツガ。モミよりやや老齢で300年生ほどだそう。
色彩に乏しい季節ですが、倒木についたコケの緑が鮮やかです。林床の常緑低木はシキミ。倒木の上にはモミの実生。
ブナ。大径木が多くありました。
ホオノキ。
ミズメ。
コハウチワカエデ。かろうじて残った葉がありました。
カナクギノキ。
ミズナラ。
ムラサキシキブ。
小径木が多い箇所。
ところどころ、新しい風倒も目立ちました。
ヒノキ。サワラ。
ハリモミ。はじめて見ました。
下のほうはヒノキ人工林。約2時間、充実した散策をたのしみました。
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まだ時間があったので鳳来寺山へ。自然科学博物館に立ち寄り、その後急ぎ足で参道へ。
石段が続きます。本堂まで登りました。もう薄暗いのに、ずいぶん大勢の人が来ていました。
傘杉と呼ばれるご神木。直径2.4m。
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11月25日 今日はくるまであちこち巡ります。まずは新城市黄楊野(つげの)へ。
のどかな集落です。地名が示すように、ここはツゲの自生地として知られています。
自生地は集落の外れ、シカ柵で止められた林道の向こうでした。地元のおじさんに教えてもらい、ようやくたどりついた記念碑。この地のツゲは、平安時代に伊勢神宮に奉納された記録があるそうです。常緑・落葉広葉樹の下に密生していました。
葉が美しいです。
稚樹も多く育っています。2か月前にも福岡、古処山の自生地を訪れましたが、ここは小径木が多い印象です。
シカ柵の集落側に戻ると、植栽して育てていると思われるものもありました。生垣にもふんだんに使われていました。
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くるまを北に走らせ、長野県境の茶臼山へ。標高1416m、愛知県の最高峰です。
この山は高原牧場のイメージがあるようですが、山頂付近は天然林が残っていて、遊歩道が整備されていました。ブナ。
ダケカンバ。すっかり葉が落ちていて静かです。モミ。頂上までは20分くらい。
ミズナラ。
林床にはクマイザサが密生。
このあたりはシラカンバの南限になっています。何本か見かけましたが、いずれも道の近くなど、自生ではないかもしれないものでした。でも、愛知県でシラカンバを見られたことでひとまず満足。
山麓の集落、豊根村川宇連(かうれ)。川宇連神社境内の天然記念物ハナノキ。葉のある季節に来たいです。
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ここからは南下。小さい集落をつないで、滋味深いドライブです。
新城市にある、三河の国一之宮である砥鹿神社の奥宮。神域として本宮山(789m)全域が保護されています。今日は山頂付近だけ。
スギ。モミ。日が短くすでに薄暗い感じです。
終わりかけの紅葉。コハウチワカエデ。イロハモミジ。
電波塔が立ち並ぶ本宮山の山頂から三河湾方面。これで今回はお終いです。