旭川・神居古潭

2020年05月05日

ようやく雪も消えた時期。新緑を求めて南に、旭川に行きました。

旭川から札幌にむかう国道から、旧道を少し進むと、石狩川に歩道橋がかかっています。神居古潭(アイヌ語で「神の住む地」の意)は、北海道を縦断する変成岩帯が露出し、石狩川が急流となった景勝地です。入口からは、まだ新緑には早いように見えましたが、、、

川を渡ると、エゾヤマザクラが咲き、芽吹きも見られました。ここは以前、鉄道駅があった場所ですが、現在、線路はトンネルで山の中を通過するようになり、サイクリングロードになっています。お花見の人が来ていました。

シラカンバ、キタコブシ。山に向かって整備された歩道に入っていきます。

この歩道に沿った一部は、国有林の保護林に指定されています。名称は「旭川シウリザクラ等遺伝資源希少個体群保護林 」。「シウリザクラ」が名称になるのは、他にあまり多くありません。

シウリザクラ。早めに開く新葉がこがね色に輝いていました。 

コブシとの組み合わせ。

シウリザクラのまっすぐに伸びた幹。遠くからでもわかる、気品のある立ち姿です。

根萌芽。シウリザクラは種子から育つほか、無性繁殖することも特徴です。歩道沿いでは1箇所、目立つ場所がありました。

春を探しながら散策。ハウチワカエデ、イタヤカエデ。

満開 のイタヤカエデは、この林の優占種でした。

カツラも目立ちました。こちらも新葉が目に眩しいです。

オオバボダイジュ、シナノキ、サワシバなどはまだ展葉前。保護林名「シウリザクラ等 」の「等」は、具体的にはアズキナシを指すようですが、それもまだでした(あまり多くは見えませんでした)。

針葉樹は全体的に少なく、ときどき、トドマツ。林床にはハイイヌガヤ。

沢沿いにも大径木。ミズナラ、ダケカンバ。

神居古潭の景観のシンボル「神居岩」。その上部の展望台から。ゆっくり歩いて、一周2時間半ほど。とてもよい林で、アクセスしやすいのでお勧めです。

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帰りがけに、市内に近い神居神社に立ち寄りました。

社殿の前から旭川の中心部が遠望できます。ここに来たのは、鳥居の脇に並ぶ木を見るため。

ブナがあるのです。ブナの自然分布は、よく知られるように 道南までですが、大きく育っています。鳥居の左右に対に並んでいるので、意図して大切に育てたことが伺えます。入植前の故郷から持ち込んだのでしょうか。

種子も稚樹もありました。

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翌週(5月14日)、近くを通ったので、再度、神居古潭の森を眺めてみました。

すっかり新緑が進んでいました。よい季節です。