福岡・古処山 英彦山

2019年09月18日

福岡でふたつの山を巡ってきました。どちらもすばらしい森があります。

9月17日 この日は朝倉市秋月から古処山へ。

登山口の神社。しばらく川沿いの道を歩いていきます。よい天気で緑があざやかです。 

40分ほどで林道終点。このあたりから天然林が現れてきました 。急登していくと岩礫の斜面。ここに今日の目的の木が。

ツゲです。この山の山頂付近は「古処山ツゲ原始林」として、国の特別天然記念物に指定されています。 

ツゲは常緑低木で西日本の暖地に分布します。この山も含め、自生地の多くは石灰岩地です。この、ツゲの優占度の高さは、他ではあまり見られないとのこと。 

直径30cmほどの大径木もありました。見事です。樹齢1000年に達する木もあるとのこと!ツゲの英名はboxwood(学名はBuxus)。箱細工に利用されたからだそうです。日本では櫛の材料としてとくに有名で、他にも将棋の駒などで最高級材とされます。 

小さな葉に気品があり、見とれます。遠くからみても、つやのある緑がまぶしいです。 

山頂。標高は860m。筑後川に沿う朝倉の平野。

帰りは同じ道を戻りました。スギの人工林。 

秋月は城下町。町中から古処山を振り返ったところ。半日、満喫しました。 

9月18日 翌日は信仰の山である英彦山へ。

急な石段を登りきり下社に到着。ここから山頂の上宮への参道もありますが、回り道することにします。 

ときに道がわかりにくい箇所ありながら、古くからの修験の道を進みます。

モミ。意外と登り下りが続きます。 

鬼杉。回り道をしたのはこの木を見るため。直径4m、樹高は、上部が折れたとはいえ38mに達する大木で、樹齢は1000年以上との説明書き。 

ここからはきつい急登。歩き始めてから3時間半で中岳(1199m)山頂の上社に到着し、参拝。 

霧が出てきました。ここから北岳にかけて、ブナ林が広がっています。林床はクマイザサ。

しかし、この森林は枯死木、衰退木が目立ちます。1991年の台風の影響が大きいそうですそこで、植栽による保全活動も行われていました。

北岳を過ぎ、岩礫の多い北斜面の下りになると、見事なシオジ林が広がっていました。樹高25mほど。九州では最大規模の群落だそうです。 

高済神社へ下山。小学生が遠足に来ていました。約6時間で登山口に戻りました。最後に、有名な銅の鳥居。

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下山後、くるまで30分ほど走り、東峰村小石原へ。

小石原遺伝資源保存林へ。樹齢200-600年のスギが見られます。鎌倉時代以降、英彦山に入山する修験者が奉納のため植栽したと言われています。

通称は行者杉。その中で最も大きい大王杉。直径2.6m、樹高52m。そして、右に小さく見える 石柱が豊前と筑前の国境を示すという、境目杉。別名は国見太郎。

小石原は焼き物の町。窯元の向こうに行者杉が望めました。