三河

2019年11月25日

冬になる前にあちこち巡っています。豊橋駅でくるまを借りて、気になる森林をめぐる1日半。

11月24日 まず、太平洋側の代表的な温帯混交林として知られる、愛知県設楽町の段戸裏谷原生林(段戸モミ・ツガ植物群落保護林)を訪れました。

林道から見上げたところ。大径木が見えます。紅葉は終わりかけです。しかし、、、最初に目についのは林床の状況。スズタケが枯死しています。2年前に、全国の広範囲で一斉開花・枯死が起きたことは聞いていました。その時の影響でしょうか。 

林内に入っていきます。モミ。260年生ほどとの説明あり。 

こちらはツガ。モミよりやや老齢で300年生ほどだそう。

色彩に乏しい季節ですが、倒木についたコケの緑が鮮やかです。林床の常緑低木はシキミ。倒木の上にはモミの実生。 

ブナ。大径木が多くありました。 

ホオノキ。

ミズメ。 

コハウチワカエデ。かろうじて残った葉がありました。 

カナクギノキ。 

ミズナラ。 

ムラサキシキブ。 

小径木が多い箇所。 ところどころ、新しい風倒も目立ちました。 

ヒノキ。サワラ。 

ハリモミ。はじめて見ました。 

下のほうはヒノキ人工林。約2時間、充実した散策をたのしみました。

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まだ時間があったので鳳来寺山へ。自然科学博物館に立ち寄り、その後急ぎ足で参道へ。

石段が続きます。本堂まで登りました。もう薄暗いのに、ずいぶん大勢の人が来ていました。 傘杉と呼ばれるご神木。直径2.4m。 

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11月25日 今日はくるまであちこち巡ります。まずは新城市黄楊野(つげの)へ。 

のどかな集落です。地名が示すように、ここはツゲの自生地として知られています。 

自生地は集落の外れ、シカ柵で止められた林道の向こうでした。地元のおじさんに教えてもらい、ようやくたどりついた記念碑。この地のツゲは、平安時代に伊勢神宮に奉納された記録があるそうです。常緑・落葉広葉樹の下に密生していました。

葉が美しいです。 稚樹も多く育っています。2か月前にも福岡、古処山の自生地を訪れましたが、ここは小径木が多い印象です。 

シカ柵の集落側に戻ると、植栽して育てていると思われるものもありました。生垣にもふんだんに使われていました。

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くるまを北に走らせ、長野県境の茶臼山へ。標高1416m、愛知県の最高峰です。

この山は高原牧場のイメージがあるようですが、山頂付近は天然林が残っていて、遊歩道が整備されていました。ブナ。 

ダケカンバ。すっかり葉が落ちていて静かです。モミ。頂上までは20分くらい。 

ミズナラ。 林床にはクマイザサが密生。

このあたりはシラカンバの南限になっています。何本か見かけましたが、いずれも道の近くなど、自生ではないかもしれないものでした。でも、愛知県でシラカンバを見られたことでひとまず満足。 

山麓の集落、豊根村川宇連(かうれ)。川宇連神社境内の天然記念物ハナノキ。葉のある季節に来たいです。


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ここからは南下。小さい集落をつないで、滋味深いドライブです。 

新城市にある、三河の国一之宮である砥鹿神社の奥宮。神域として本宮山(789m)全域が保護されています。今日は山頂付近だけ。 

スギ。モミ。日が短くすでに薄暗い感じです。

終わりかけの紅葉。コハウチワカエデ。イロハモミジ。 

電波塔が立ち並ぶ本宮山の山頂から三河湾方面。これで今回はお終いです。